スタートアップ企業のファイナンスにおけるペインポイント②
スタートアップ企業ファイナンス面の困りごとのリアル
前回の記事では、スタートアップをめぐる投資環境についての困りごとについて触れました。
今回は、スタートアップ企業がファイナンスをめぐって実際にどういった困りごとがあるのか、3つに分けて考えていきます。
1.ファイナンス、結局のところ誰に聞けば良いの?
スタートアップ企業には、設立当初からエンジェルや投資企業、様々なメンター、アドバイザー、顧問と言われている方々が関与してくる例も珍しくはありません。
しかしながら、過去に1度だけIPOに携わっていた、M&Aをやったことがある、といったご経験の方でも、「顧問業」を営んでいらっしゃる方がおり、ファイナンス面での知見が無いスタートアップ企業には、それはそれで神々しく見えてしまう、非常にありがたい助言であったりします。
過去のご経験を全て否定するわけではありませんが、2000年台、2010年前半、2010年後半、直近と足元の景況感、また直近ではテクノロジーの著しい進歩によって、上場市場の内容、トピックの移り変わりが激化しており、過去のトレンドをご存知の方でも、ご助言の信ぴょう性が乏しいと言わざるを得ません。
また、どこどこの証券会社のご出身、という方も、その証券会社にいた、ということであり、他の証券会社が主幹事証券となるような場合、他の証券会社の事例、進め方までお詳しいわけではありません。
IPOを準備していこうとする中で、アドバイザーを選ぶのであれば、
・今を知っている(直近の上場した企業、上場準備が相当程度進んでいる企業に関与している)
・証券会社・監査法人事情も横比較が可能
といった視点が必要です。
改めて弊社のCFOコンシェルジュをご利用なさっている企業様とやり取りを重ねれば重ねるほど、過去の情報のみでは戦いを勝ち抜いていくことは難しい、と実感しています。
正しいかではなく、その情報の真偽はいかに、となった場合、該当する情報が、企業固有のものになるのか、一般的に広く当てはまるものなのか、と言ったことも知見の中では必要になってきます。
最短でIPOを成就していくためには、アドバイザー選びも慎重に、です。
2.計画のリバイスが苦手(人がいない)
スタートアップ企業は日進月歩の速さで、進化し、また成長を遂げていきます。
特にSaaS系でサブスクリプション(定額課金制)のビジネスを展開している企業においては、綺麗に右肩上がりのスケールカーブを描き、成長していきます。
こうした企業になっていくまでには、アイデアの具現化、ピープルマネジメントと、創業経営者は日々多忙を極め、いざ、資金を調達する、といった段では
「時間が無い」
とぼやくことになります。
そうした場面で、よくあるケースとしては事業計画を作ったまま、
「old フォルダに入れっぱなし」
「更新していない」
「毎回新しく作り直している」
「金融機関(創業融資時)に向けて作ったものしかない」
「資本政策と連動していない」
といったケースです。
基本、時間が無い、知識が乏しい、そもそもファイナンスに対して、需要はあるものの
「真正面から取り組むにはハードルが高い」
といった困りごとが、現実では横たわっています。
計画を常に最新にしていくには、ツールの活用がお勧めです。
事業計画と資本政策とをリンケージさせ、調達する金額、株価、期間など、逆算のファイナンス思考によって、イグジットまで最短で、不必要なファイナンスをせずに推進していくことが、スタートアップ企業におけるCFO業務でしょう。
3.過去の調達時のミス(考えなしで進めた資本政策)
・出来るだけ多く金額が集まれば良い
筆者はこれは間違いである、と考えています。
資金調達は、集めた資金に実はそれぞれ調達手法によって
「コスト」
が発生しています。
借入は利息という分かりやすい世界がある一方、株主資本の資本コストについては、多くの人が、コストとして存在していることすら忘れてしまいます。
その割に、返済義務が無い資本は、入れやすい、使いやすいと誤解され、借入金によって調達するときと比較しても、3つのミスが目立ちます。
「ミス・プライシング=オーバーバリュエーション、ダウンバリュエーション」
「調達額のミス」
「投資家選定のミス」
です。
こうしたミスによっては、次回以降のラウンド(資金調達)が困難を極め、また、事業を推進している最中においても、既存の投資家と新規の投資家との調整、既存の投資家との方向性・見解の相違などにより、ゆるく契約を締結している会社などでもめ事が起きることも目の当たりにしています。
そもそもの事業計画から資本政策を練り、それに応じて、投資家を募集していく行為に加え、順調シナリオもあれば、不調シナリオとなることもあります。
契約の中で、投資家向けにどのような約定をしていくのか、は別途述べますが、基本的には、創業者として
「本当に必要かつ損をしない選択は何か」
を考えることが重要と考えます。
まとめ
弊社では、上記に付随する困りごとを抱えていらっしゃる企業様を多数、クライアントとしており、皆様に
・定額課金制
の中で
・ツールを最大限活用したシームレスな日常的なやり取り
・ファイナンスgym(事業計画・資本政策策定支援)
・バリュエーション
・投資家ご紹介
を行っております。
特に、初月の1ヶ月だけは濃く時間をお取りいただき、その中でのストーリー作り、またクライアントとの信頼関係構築を重視しております。
お困りごと、貴社でもございましたら是非弊社「CFOコンシェルジュ」をご検討してみてください。