ベンチャー企業とM&A
【2023年1月更新】 今回は、「ベンチャー企業とM&A」について記事をおまとめしています。
それでは早速ご紹介してまいります。
IPOかM&Aか?成功するベンチャー企業のイグジットとは
■IPO
イグジットの一つとして、IPOを用いられることがあります。IPOとは未上場の会社が新しく上場し、証券取引所で自由に株式を売買できるようにすることです。経営者が一定の支配権を維持したまま、IPOやその後のタイミングでの多額の資金調達が可能になり、事業拡大に向けた投資をスピーディーに行っていくことができます。
IPOを実現するためには、「形式基準」と「実質審査基準」の2つの基準を満たす必要があり、最短でも2~3年はかかると言われています。
また、一度上場すると増資の手段は少なく、資金調達のハードルも高くなります。つまり、上場後に計画通りに成長できないと、資金調達もままならず低迷してしまうリスクも存在します。
IPO後は短期的な数字を求められる場合が多いため、中長期的な視点での企業経営がしにくいなど、自由な経営ができなくなり、失敗したと感じている経営者の声も聞きます。
■M&A
米国ではIPOよりもM&Aの方が、一般的な選択肢になってきています。
日本でも最近、ベンチャー企業の方々から“M&Aを検討している”と相談を受ける機会が増えてきました。外部環境の変化により、現在の倍のスピードで事業拡大をする必要があるため、IPOに伴うコストと時間的余裕が無いと感じているそうです。
M&Aによるエグジットには以下のような特徴・メリットがあります。
・一般的にIPOより時間と費用を抑えることができる
・売り手と買い手の双方合意があれば達成できる
・事業拡大の可能性が高い
・節税効果
このような性質を持つことから、M&Aは現代におけるイグジットの主要な形式の一つとして認識されているのです。
特に、以下のように考えている経営者の方はM&Aを目指すと良いでしょう。
・創業者利益を追求したい
・事業立ち上げは得意だが、その後の拡大は他に任せたい
・生み出したサービスを多くの人に使ってもらいたい
“失敗しないイグジットを行うためにも、総合的に見てどこを目指すのが得策なのかを考えてみてください。”
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ベンチャー企業のM&Aが成立するポイントとは?
ベンチャー企業のM&Aが成立するポイントについてご紹介します。
■ベンチャー企業自身が既に利用者を抱えていること
ベンチャー企業の場合、利益を上げるまで経営を確立することは難しいかもしれませんが、既にサービスを提供し利用者を抱えることは可能です。ベンチャー企業の顧客と大企業が提供するサービスを活用すれば、大きな利益を生み出す可能性があるため、M&Aを行う大企業にとって非常に魅力的なポイントとなります。
■大企業に負けない優れた人材がいること
優秀な人材は、大企業でも簡単には獲得することができません。ベンチャー企業を設立して新しいビジネスを展開しようとする人材は、リスクを恐れない優れた人材が多い傾向にあり、そのような人材を大企業は求めています。
自分たちのサービスに精通した優秀さではなく、ベンチャー企業自体の未来予想図を明確に描き出せるような、経営感覚のある優れた人材が必要です。企業の未来予想図を描きだせれば、M&Aの交渉を行う上で買い手企業にとってもとても魅力的に映るものです。
■業績伸長の可能性があること
今後どのように業績を伸ばすことができるのか、数字で示すことができるようにしておく必要があります。
将来的な業績予想を根拠立てて数字によって示すことができれば、M&Aが成立しやすくなるでしょう。大企業は、業績の根拠を見破る目に肥えています。顧客数の拡大見込み、利用料収入の拡大見込みなどの根拠をデータによって示せるようにしましょう。
“ベンチャー企業に対するM&Aは増加しています。ベンチャー企業の資金調達方法として、IPOだけでなく、M&Aも視野に入れて検討するべきでしょう。”
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次回予告
次回のまとめ記事は「コーポレートガバナンスの課題」をお届けします。
お楽しみに。
―次回更新予定:7月12日(月曜日)