ワークスアプリケーションズの譲渡完了
ワークスアプリケーションズついに譲渡完了
本メディアでもたびたび触れておりましたが、ついにワークスアプリケーションズの譲渡が完了しました。
内容は、ニュースリリースでも触れられていますが、流れと内容につきましては以下の通りです。
【ワークスアプリケーションズの譲渡対象】
HR領域(人事シリーズ及びHR Suiteプロダクト)に関連する事業及び関連子会社
【譲渡スキーム】
1.ワークスアプリケーションズが新たに設立をした新設会社(ワークスヒューマンインテリジェンス社)に、ワークスアプリケーションズからHR領域を分割し、承継
2.ワークスアプリケーションズを保有している新設会社(ワークスヒューマンインテリジェンス社)の株式すべてを、Bain Capital Private Equity, LPが投資助言を行うファンドが間接的に運営管理するSPC(特別目的会社)に譲渡
簡単に言うと、ワークスアプリケーションズの会社の中にあった、HR事業を切り出すために、いったん受け入れる「器」をつくり、器の株式を、ファンドに売却した、ということで「HR事業」の売却であった、と解することが出来ます。
(出所)ワークスアプリケーションズのニュースリリースより弊社作成
今後とまとめ
実際に譲渡が完了し、大赤字で資金繰りに窮していたワークスアプリケーションズは、一服したと見て取れると思います。
しかしながら、前回の考察でも示しました通り、
・HUEといった新製品を残し、旧来型の人事・労務系システム周り(HR業務)の譲渡をすることで、ノウハウ、特にどういった古参の人財が流出してしまうのか(新卒大量採用の方が分割会社に残ったとした場合、営業力含め、著しい企業価値の毀損が起きていないか)
・HUEに関しては、システムローンチ後も問題が絶えず、今後の仕組みであるため、今後の事業計画に明るい兆しが見えていないこと
・株主であるACAグループは大株主であり、実行しようと思えば、「配当として」などで、株主に還元させることが可能であり、会社側に資金が残らない可能性があること
といった課題はぬぐえません。
未だに、ワークスアプリケーションズの大株主はACAグループというファンドであり、ファンドのイグジットに対して、どのように答えていくのか、そこにきて、今回のベインキャピタル系に対して、譲渡を実行してしまった中身がないにも関わらず、対応していくことが可能なのか、また、SaaS型・サブスクリプション型サービスが主流になっている競争環境の中、そもそも同社が立ち行くのか、このような論点が存在しています。
今後、どのような変化や進化を遂げていくのか、今後のワークスアプリケーションズ、譲渡されたワークスヒューマンインテリジェンスに期待したいところです。