ソフトバンク上場 ~難産となった上場~
ソフトバンク上場の背景を探る
ソフトバンクが上場しました その背景にはどのようなことがあるのでしょうか。考察したいと思います。
【ソフトバンク上場、終値1282円 公開価格を15%下回る 】
ソフトバンクグループ(SBG)の国内通信子会社、ソフトバンク(SB)が19日、東京証券取引所第1部に上場しました。初値は1463円と公開価格(1500円)を2%下回り、午前の終値は1360円でした。上場時の時価総額は7兆35億円で東証1部の7位となった大型の新規株式公開
(以上、日本経済新聞 WEB版2018/12/19 15:04更新より一部抜粋)
大きく値を下げ、時価総額がなんと一日の終値の時価総額は6.1兆円となり、7兆円の出発から1兆円も値を下げた形となりました。
どういった要因が背景にあるのでしょうか。
上場せざるを得なかった事情も
finance overviewとして
・現時点で時価総額6,4兆円純有利子負債が3兆円程度なので企業価値で9.4兆円
・ソフトバンクグループでは、有利子負債18兆円近くあるものの6ヶ月ベースの営業利益は1.4兆円、年ベースに引くと2.8兆円
(17年の調整後EBITDA2.6兆円)で、有利子負債対EBITDAで、およそ7倍
ソフトバンクグループとして、これ以上のデットファイナンスは厳しいとの見方もあり、更なる成長投資の資金として、虎の子のソフトバンク上場、があったと筆者はみています。
投資会社への変貌か
ソフトバンクグループと言う会社を、今後どう市場が位置付け見ていくのか、で、この有利子負債の意味は変わるでしょう。
すなわち、今後よりデットファイナンスによる調達が出来るようになるか、です。
オリックスグループのように当初から金融業であれば、デットが大きな点が問題になることはありませんが、ソフトバンクグループは通信業をコアにした事業会社である点は変わりはなく、その中で、投資事業の拡大、その野望はどこまで果たせるのか、疑問が残ります。
孫氏の「10兆円ビジョンファンド」設立など、直近の動き方が投資事業に傾注しているように見え、M&Aがソフトバンクグループを中心に話題に上ることが多いと感じています。
今後投資会社への変貌を遂げていくのか、今後の行く末を見守りたいと思います。
まとめ
以上考察ですが、一時的な調達で一息つく間も無く、先の通信障害などの件も含め、
・ソフトバンクと言う上場会社
が、脇を締めて行かねばならない、様々な課題が横たわっていることも事実でしょう。
本質的な利益相反もはらむ親子上場の課題もあり、上場ファイナンス資金が、どこまで事業性投資資金に活用出来るのか、早晩見えてくるのでは、と感じた次第です。