株式交換 ~出光興産と昭和シェル石油との経営統合~
出光興産と昭和シェル石油が統合
かれこれ3年越しの縁談がようやくまとまったようです。
国内ではすでに1強体制「JXTGホールディングス」のもと、ガソリン元卸業界は再編と淘汰が進んできた業界の1つです。
今回、出光興産の創業家の反対を押し切り、現経営陣は昭和シェルとの統合を果たすこととなりました。
今回の経営統合にあたり、両社が選択したスキームが株式交換というスキームです。
いったいどのようなスキームなのでしょうか。
株式交換とは
株式交換とは、ある会社が、別の会社の株式をすべて取得するために、ある会社の株式を割り当てる行為となります。
今回で言えば、出光興産の株式を、昭和シェル石油の株主に割り当て、代わりに出光興産は昭和シェル石油の株主から株式をもらう、ということになります。
図解しますと以下のような形です。
今回、出光興産の株式が1として、昭和シェルの株式が0.41ですから、実質的には「出光による昭和シェルの買収」という形になります。
経営統合スキームでいったん株式交換を実施しますが、その後のアクションで、合併(吸収合併)をするということはよくあるスキームですので、経営統合の次なる段階で合併も視野に入れているのかもしれません。
まとめ
会社法上では、株式を完全に取得していき経営統合に使われるスキームとして株式交換があるという事はご理解頂けたかと思います。
なお、完全子会社化するに当たってのスキームですので、株式を一部だけ取得するという事は、会社法上の株式交換のスキームの範囲ではない点に注意が必要です。