「シャープと鴻海」M&Aからの示唆~次の日産とルノーは?~
溢れかえる海外製品の「家電」「パソコン」「スマホ」
読者の皆さんも最近家電売り場を見ていて気付くことがあるのではないでしょうか。
「溢れかえるのは海外製品である」
ということにです。
パソコン、スマホといったデバイスコーナーを見渡しますと、
・Apple(アメリカ)
・エイサー(台湾)
・LG(韓国)
・HP(アメリカ)
・DELL(アメリカ)
・レノボ(中国)
・ファーウェイ(中国)
・Samsung(韓国)
・OPPO(中国)
・ASUS(台湾)
・Google(アメリカ)
と列挙しますとかなりの製品が海外製品です。
国内製品はどこに消えた?
パソコン製品で日本のメーカー(生産拠点は国内ではないですが)は
・ソニー
・Panasonic
くらいでしょうか。
ここで、筆者はかなりの数を見かける
「東芝」
のパソコンを既に国内製品として、筆者は挙げませんでした。
何故でしょうか?
「東芝」のパソコン事業の「シャープ」への売却
2018年6月5日
シャープが、東芝のパソコン事業を営む
・東芝クライアントソリューション
を買収することを発表し、実は遡ること
2018年10月1日
に、シャープ傘下としてリスタートしていました。
なぜシャープ・東芝を国内企業から外したのか、思い出してみてください。
シャープの親会社は、すでに
・フォックスコン・テクノロジー・グループ
(鴻海精密工業を中核企業とする台湾企業)
です。
2016年経営再建に頓挫し、実に株式の「2/3近く」をフォックスコングループが保有し、子会社化しています。
もう、お気付きですね。
1999年に資本提携をした日産、ルノーの資本・業務提携の構図に似ています。
次の日産・ルノーはシャープ・鴻海?
日本とフランス政府が私企業の話の登場人物として出てきていることに驚きを隠せませんが、国内の主要産業であれば、同様の事案が出たときに、やはり政府同士が裏で見え隠れするのでしょうか。
今のところ、フォックスコングループとシャープは、表面上はうまくいっています。
株価も相当程度回復し、株価上昇率は、国内メーカーでダントツでした。
なお、シャープの本件の買収時に、国のファンドと言っても良い
・産業革新機構
が出てきて国内企業を救え、のような風潮があったことが記憶に新しいです。
なんでもかんでも国が助ける、このような手の差し伸べ方は
「セーフティーネットとしての機能ではなく、甘やかされ、競争力を奪うのでは?」
などといった意見も当時も出ていました。
国内の「行き過ぎた保護主義」として、各国から落胆されなければ良いな、と海外投資家の投資スタンスが冷めていくことに対する危惧を持ちました。
行き過ぎた保護主義は、
「健全な資本市場からは程遠い」
のではないか、と感じますし、一時的に海外に支援や救助を求め、復活が出来たにもかかわらず、復活をした後は、
「はい、さようなら」
では日本は何と節操の無い国だ、と思われてしまうのではないでしょうか。
まとめ
ともあれ、シャープは、買収した東芝クライアントソリューションを、製品名と統一
・ダイナブック
として再出発し、赤字から黒字への野望を持ち、挑戦していくことを発表しました。
国内企業と思われていた
・シャープ
・東芝クライアントソリューション
と言った会社が、M&Aにより、次々と
・外資系企業
に様変わりしていく、
「その姿をどう捉えるのか」
今後の論点になり得そうです。