事業承継のご相談の現実~どんな相談がくるのか?~
最近の弊社に多い「事業承継」に関連するお問い合わせ内容とは?
弊社には、M&Aに関連したお問い合わせが日々あるのですが、特に多いお問い合わせのうちよくある2つのケースを挙げてみたいとおもいます。
【お問い合わせ内容】 その1
M&Aの某社からの営業に辟易している。何とかしてもらえないか。
こういったお問い合わせは、直接の会社様ではなく、顧問の会計士・税理士・弁護士の方などの弊社の取引先の方々からのご連絡で、
「社長が困っているので、一度相談に乗ってもらえないか」
という流れが多いです。
有名な仲介会社様にご相談をしたところ、毎日毎晩のように、「売りませんか」の営業の電話や、いきなりアポなしで来社する、ひっきりなしに、メールが飛んでくる、こういった内容が多いようです。
また、ご自身からコンタクトをした場合もありますが、そのほかには、
「証券会社から紹介をされた」
「金融機関から紹介をされた」
「顧問●●から紹介をされた」
というように、ご自身からの発というよりは、
「どこかしら長年のやり取りをしている方々からの紹介」
によって、仲介会社様をご紹介されることが傾向として多いです。
金融機関などは、債権者の立場でもあり、株を売りませんか、と直接的に働きかけるのは、これはこれで利益相反取引なのですが、グループのアドバイザリー会社などを紹介しつつ、上手く連携し、利益相反取引ではないような形で推進しているケースもあります。
本質的に片手側(売り手または買い手)だけで、M&Aアドバイザリービジネスを推進する力がある会社様が、まだまだ国内の業界には少ない、ということの示唆なのかもしれませんし、
「ファイナンス」
といった言葉で日本人が想像してしまうのが商業銀行であるといったところも、仲介業務がM&Aで跋扈してしまう一因なのかもしれません。
【お問い合わせ内容】 その2
第2位は、仲介会社様にリテイナーフィー(着手金や、コンサルティングフィーなど様々な名目でお金を取る)を払ったものの、何もしてくれずに1年が経過した、
のような実際に依頼をしたものの、なかなか結果が出ない、動かない、
「さてどうしたらよいでしょう」
といった相談です。
弊社としては、また、個人的には、オーナー会社様のオーナー様が、誰に、どう依頼をなさるのか、は自由だと思っています。
その依頼をするに当たってのプロセスが不透明かつ、情報の非対称性があり、どうしても、上述のようなパターンで仲介会社に行き着きがちになってしまっているのが、現状なのかもしれません。
M&A●●を名乗る方々や、資金調達アドバイザー、エンジェル紹介など、様々な役割を個人で動いていらっしゃる方々が多いことも特徴なのですが、こういった方々で、実際にM&Aに触れた、実務が出来る、周辺の法制度(かつ最新の)を知っている、と言う方は意外と少なく、
「誰誰を紹介します」
「どこの会社を紹介します」
という、紹介ビジネス(マッチング機能)になって、それで終わってしまうケースが多いです。
こういったことの背景からか、せっかく頼んで、加えてお金をお支払いしたものの、単純な紹介料に100万円以上も払ってしまうようなケースもあり、ご相談にいらっしゃるオーナー経営者の方が多いです。
また、これよりも少し進むと、当該仲介会社の方から
「この5社の中で選んでください。この中で選ばなければ、3か月以内にもっと価額が下がってしまいますよ」
といったような、半ば強引に進めてしまうような会社もあるという相談もありました。
ここまでくると、そういった仲介会社様のスタンスも
「営業成績に縛られている=KPIでコンタクトから、契約締結、リテイナーフィーを取る、紹介し、なるべく早めに2次的なお金(どこかの会社から面談依頼があった場合に更にお金を取る仕組みも多いです)を得る、その回転を上げる、短い期間で成約させ、1件でも多く成約させていく」
といった、仲介会社様御自身の都合で動かれていることが、本当によく見て取れます。
(加えて上場などしていますと、常にアップサイドの成績が求められるわけですので、オーナー経営者の方々から、ご不満系のご相談が増えるのはやむないことなのだな、と感じております。)
まとめ
良く分からないままに依頼する、または営業にあい、準備をせずにとりあえず会う、こういったこと自体を否定するものではありませんが、本質的に、会った後に、どう行動していくのか、についてはビジネスジャッジメントです。
そもそも相談する相手が、初めての方々も多いと思いますので、信頼できる会社なのか、は実績のみならず、
「自分の立場に最大限立って、推進してくれる会社なのか」
と言った視点から、利益相反行為がない
「仲介会社様ではなく、アドバイザリー(片手側だけに立って推進する)会社か」
といった、会社のサービスの性質も重視してみてはいかがでしょうか。
弊社では、基本的に、価値診断サービスを無料でご活用いただいた後も、無料でご相談を承り、候補先などのご紹介をしています。
一度アドバイザリー業務の本質をお試しいただいてはいかがでしょうか。