近年、中小企業のM&Aはどのくらい行われているのか?
近年、事業承継・後継者問題をはじめとした中小企業の経営課題を解決に導く手段として、M&Aの活用が広がりを見せています。政府・各種機関などの積極的な支援も追い風となり、M&Aは売り手・買い手双方の中小企業経営者にとって身近なものとなりつつあります。
中小企業が関連するM&A件数は増加傾向
株式会社レコフデータが発表しているデータによると、2011年リーマンショックの影響もありM&A成約数は一時減少しましたが、その後アベノミクスによる国内景気回復もあいまってM&A成約数は増加傾向であり、2016年には2652件にのぼります。
中小企業だけでのM&A成約数は公表されていませんが、M&Aの成約数のうち約7割に中小企業が絡んでいると、過去のレコフデータが発表したデータにあります。すなわち、2016年度には約1850件近く、1日あたり約5件のM&Aに中小企業が絡んでいることになります。
参照:株式会社レコフ「MARRデータ」
M&A市場の現状
近年、顕在化しているM&Aニーズは買収希望が多いことから、圧倒的に売り手市場、つまり売り手が少ない市場となっています。
現在、買い手側の背景として、日本国内の人口が減少することから日本全体の消費が減少し国内市場が縮小することや、 企業がグローバル化への対応のために、「In-Out」型のM&Aが増加傾向にあります。
一方、売り手側の背景としてあるのは、後継者不足による事業継承問題です。子供が事業継承を嫌がることや、そもそも子供がいない・社員に事業継承するにもその社員に買収する資金力がないなど、様々な理由で事業継承が行えないことが多いのが現状です。このように事業承継ニーズが高まる中、有効な手段としてあるのが“第三者承継”とでも呼ぶべきM&Aです。
おわりに
日本のM&Aは近年毎年2000件以上行われており、売り手は事業継承対策のために、買い手は企業成長の一環としてM&Aの需要は年々伸びています。企業の課題解決の手段として中小企業経営者の方々もM&Aを活用してみませんか。