中小企業の事業承継とM&A②~オーナー企業が事業承継を成功させるためには~
さて、前回のお話では、事業承継のご相談を受けた会社にお伺いし、いきなりは事業承継のお話は出来ない、そんな中でどうお話をしてきたのか、についてお話しいたしました。
今回は、具体的にオーナーが検討するに当たり、本気度が高まっていくためのキーポイントを説明します。
オーナーが事業承継で気になる2つのポイント
1つは「価格」、1つは「具体的な候補先」です。
価格は言わずもがなですが、具体的な候補先については、やはり守秘性が高い話であるため、どうしても会う、までに躊躇される方が多いです。
また、よく言われている「M&Aの失敗」など、最近は多くのセミナーなどでも慎重に進めるべきである、といった、良い風潮が生まれてきていることもあいまって、相手先については、非常に慎重になられていることもあるのだと思います。
なお、自社の売却価額の目安については、弊社のBIZVALサイト「1分で分かる!企業価値診断」でも手軽に試算できますし、ご自身でも把握することができるようになっていますので是非試算してみてください。
事業承継を成功させるためには
譲受候補先企業に「お金を出して買ってくれさえすればよい」という考えは、まず100%失敗します。譲渡したものの、カルチャーが合わない、など、いくらでも想定されます。
とても申し上げにくいことですが、「ご自身の器よりも大きな会社であるか」を真剣に考える、一度は、ゼロベースで考えることに至らない場合、結局は失敗していくケースとなると言えます。
何をもって器が大きいか、は人によって定義が異なるかもしれませんが、従業員はこれから10~20年働いていくことを想像したときに、「今よりも環境も変化していく中で、生き残っていくことが、譲受先でさえもできるのであろうか。環境変化に柔軟に対応していくことが出来るような会社であるか。」を考える必要があります。
こういった候補先は、実際に足を運び、膝を突き付け合わせ、議論をしてみる、その譲受候補となる企業を知っていく、ことも非常に重要です。
したがって、「●ヶ月以内にM&Aをしましょう」というような謳い文句で、早く終わらせることを優先してはいけませんし、そういう勧誘をしてくる業者には耳を傾けないほうが良いでしょう。なお、早期の売却・譲渡の判断が時として必要な場合はありますが(再生系の案件など)、今はその例ではありません。
慎重になりすぎることもいけない、急ぎすぎてもいけない、すなわち「準備をする」ということのステップを踏んだか、を重視して頂きたい、と考えております。
大塚家具の記事でも記載しましたが、「準備をしていたようで、覚悟がなかった。中途半端になってしまった。」というのは「準備をした」とは言えない、と弊社は考えています。
準備をする、とは覚悟を決めたうえで、
「具体的にどういった候補先であれば望ましいか」
「譲渡価額が伸びていくために、どこまで何をしておくべきか」
「譲渡価額が、実際に最後の場面で下がっていかないために、どんな備えをすべきか」
こういったことを事細かに描かない限り、「企業価値の最大化」にはつながっていきません。
弊社のBIZVALサイトでは、M&Aのリスク診断も無料で行うことができ、覚悟を決めていくに当たっての重要な要素を確認することが出来ます。
実際のご相談も受け付けていますので、是非、常に、片側にのみ寄り添い、仲介をしていない弊社によるご支援もご検討してみてください。