スタートアップの資金調達 敷金・保証金の流動化
資金の固定化
弊社の主たる事業に「CFOコンシェルジュ」というサービスがございます。
(参照:会社案内)
コンシェルジュサービスの中では、スタートアップ企業様向けに資金調達をご支援していく、というものがございますが、調達後、よくある話の1つを今日は記事として記載いたします。
せっかく調達した資金、あることで資金が固定化されてしまうのですが、何だと思いますか。
オフィスの敷金・保証金
そうです。
資金調達後の資金使途で多いのが、
「人員増と人員増に対処するためのオフィスの移転」
です。
これは上場した後にオフィス移転をする会社もあり、上場時の公募増資の資金使途でも比較的よく出てくる使途です。
ここで、移転するときに必要になるものが皆さん、ご存知の
「敷金・保証金」
です。
法人の場合は6か月~12カ月分の敷金・保証金が発生することが多く、仮に賃料が1,000万円のオフィスを賃借しようとした場合、
・最大1,000万円×12か月=1億2,000万円
もかかってしまいます。
資金調達で、10億円調達したとて、これだけの敷金を収めることになると、調達総額の10%が固定化されてしまい、他の投資に支障が生じるほどの影響があります。
スタートアップ企業にとって、これほど無駄なことはないのではないでしょうか。
どうにかならないもでしょうか。
敷金・保証金の流動化という資金調達とその効果
CFOコンシェルジュで、オフィス移転をする会社様にいつもお伝えしているのですが、
・敷金・保証金は差し入れたものであれば流動化することができますし、これから新規で契約をする場合においては、自社で入れずに済む方法があります。
流動化、というと難しく聞こえてしまいますが、簡単に言えば、
・敷金・保証金を自社からは支払わずに済み、先ほどのような資金の固定化は生じない
ということです。
この取り組みについては、金融機関も実施していますし、また、多くは
・リース会社
が取り組んでいることが多いです。
自社からは敷金・保証金をオーナーに収める必要がない代わりに、
・リース会社などが立て替えて(代預託(だいよたく)と言います。)、オフィスオーナーに収めるため、月々の手数料(保証料)がかかって
きますが、一時に差し入れる金額負担を考えると明らかに金融効果は高いものと言えます。
効果としては、敷金・保証金で現金化または現金拠出が無かった分を
・投資に回す
・定期預金を組むことで金融機関からの借入がし易くなる(与信が高くなる)
といった効果を得ることも可能です。
1.新規賃貸借契約
予め、代預託を行うことで、代預託会社(リース会社等)に保証料を支払うことで、敷金・保証金が最初から発生することはなく、財務諸表上も完全にオフバランスとなります。
2.既存賃貸借契約
既存で入れている敷金・保証金についても、基本的には同じような取り組みになりますが、既存の場合、オフィスオーナー(賃貸人)との交渉が難航するなど、当初から取り組んだ場合よりも難易度が高いものとなります。
まとめ
いずれの場合においても、敷金・保証金という固定化される資金は
・流動化
することができ、資金調達と同様の金融効果が得られます。
詳しく把握されたい方はぜひお問い合わせください。