【TOBを考える】ファミマのドンキ買収失敗
ファミマがドンキの子会社化に失敗
2018年12月20日、ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社が、株式会社ドンキホーテホールディングスのグループ会社化を見送ることを発表しました。
TOB(株式公開買付)が失敗するというのは、どういうことなのでしょうか。
TOBの失敗
TOB(株式公開買付)とは、市場で売買されている上場会社の株式を、予め買い取る
「期間」
「株数」
「価格」
を提示して、市場外で一括して買い付ける行為を指します。
今回のファミマユニーは、ドンキの株式について、
「期間」平成30年11月7日から平成30年12月19日
「株数」32,108,700 株
「価格」6,600円/株
で買い付けを発表していました。
これに対して、結果は応募株券等の総数24,721 株となり、なんと「0.08%」としか買い付けが出来なかったのです。
会社の支配権の割合を示す「議決権」をベースに考えると、
「0.2%」
の支配しかできなかった、というさんざんな結果に終わってしまったのです。
まとめ
TOBはこのように株価の値付けを誤ると、非常に「寒い」結果になってしまします。
通常は、プレミアムを乗せて、株価に反映させていき、最終的な市場の売買価額もその価額によりついていく、というのが一般的なTOBの動きになっていきます。
今回は、ドンキとのファミマユニーとの業務提携や、逆にユニー株をドンキが保有するなど、以前より関係性の強化が取り沙汰されていましたので、相当強気なプライシングでなければ買い付けは成功しなかった、ということでしょう。
ただし、買収をするために
「無理にプライシングを強めに出す」
ことも、シナジーが実際に生まれなかった際、相当なダメージにもなります。
TOBといった中では、通常よりも、ステークホルダーの動きにより一層留意した上での、
「株価算定」
が必要になる、ということです。
次回は、TOBとそのプレミアム、株価の算定について触れてみたいと思います。